こんにちは。医者の松田英之です。
「松田英之の医者日記」今回も書いてみたいと思います。
めまいを引起す病気は数多くあります。
まず一番重要な事としては、めまいの強さと病気の重さとは、必ずしも一致
しないという事です。
めまいの症状の強弱や様態を確認することも大切ですが、重要なのはめまいに
伴ってどういった症状が起こっているかということです。
めまいの原因にかかわらず多くの場合、悪心や嘔吐を伴います。また耳からの
めまいの場合には、難聴や耳鳴、耳閉感など聴覚の症状を、脳からの場合には
手足のしびれや舌のもつれなどを伴うことがあります。
・良性発作性頭位めまい症
めまいの原因として最も多い病気です。同じ頭の位置をとることでめまいが
誘発されます。回転性のめまい(非回転性も有り)のみ、又は、嘔気を伴う
場合が多いです。めまいの特徴としては、頭や首を動かした時に起こるが
数分以内に治まるケースがほとんどです。
・メニエール病
回転性めまい発作を繰返します(非回転性の場合も有り)。特徴としては
耳鳴り、難聴、耳閉感などを伴います。
・頸性めまい
変形性頚椎症やむちうち症など頚部の疾患が原因で起こるめまいです。
特徴としては、手や腕のしびれの症状を伴う場合が多いです。同じ首の動きを
とることでめまいが誘発され、首を回したり反らした時に起こりますが
数分以内で治まるケースがほとんどです。
・一過性脳虚血発作
数分~24時間以内に症状が治まるのが特徴です。めまいは回転性・非回転性の
どちらもあり、めまいの症状だけでなく又は手足のしびれ・麻痺、言語・視力障害を
伴うケースもあります。この一過性脳虚血発作は脳梗塞の前兆とも言われています。
生活習慣を見直せば治まる疾患~重度の疾患の予兆まで、
めまいの起る原因は様々です、めまいが頻発するようなことがあれば、病院で診察を受けるようにしましょう。
2010年5月28日金曜日
2010年5月7日金曜日
医師の松田英之がくも膜下出血について書く
こんにちは、『松田英之の医者日記』を書かせていただく、医師の松田英之です。
最近メディアなどでも取り上げられる機会が多くなった「くも膜下出血」、皆さんも一度は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。今回はその「くも膜下出血」について、医者の松田英之がお話したいと思います。
まず「くも膜下出血」とは何なのかについてお話しますね。脳というものは、外側から硬膜(こうまく)、くも膜、軟膜(なんまく)の3枚の膜でおおわれています。くも膜の下(内側)には脳脊髄液(のうせきずいえき)という液体がありますが、この部分に出血するのがくも膜下出血です。働き盛りの人に起こり、死亡率も高い病気です。また一度起こると再発しやすいという特徴がありますね。
原因としていちばん多いのは、脳の動脈がこぶのようにふくれてそれが破裂する、脳動脈瘤破裂(のうどうみゃくりゅうはれつ)です。次に脳動静脈奇形(のうどうじょうみゃくきけい)からの出血、頭部外傷によるものがあります。くも膜下出血は、同じ家系内に起こることがあるので、親戚でくも膜下出血を起こした人や未破裂脳動脈瘤がある人がいる場合は要注意なんです。
くも膜下出血の症状は、頭全体、時に前頭部、後頭部などに頭痛が起こります。同時に吐き気、嘔吐、頸の後ろ(うなじ)が凝る、などのいわゆる髄膜(ずいまく)刺激症状が起きます。
頭痛の第1の特徴は、突然起こり、それが続くことです。瞬間的にびりっと痛んですぐやみ、またしばらくしてびりっと痛む頭痛は、持続してはいないので、突然起きたとしてもくも膜下出血ではありません。
第2の特徴は、いままで経験したことのないほど強い頭痛であることです。曰く、「人生最悪の」、「金属バットで殴られたような」と表現される頭痛が多いですね。しかし、「人生最悪の頭痛」と表現するほどの痛みは発症の25%程度と言 われています。この頭痛は1~2時間で消失する事はなく数日持続します。脳内血腫を伴わなければ片麻痺、失語などの脳局所症状はみられません。尚、出血が高度であれば意識障害をきたし頭痛を訴える事は出来ません。神経症状として髄膜刺激症状が認められる事が多いですね。
出血の量が多い時には、すぐに意識がなくなります。とくに重症の場合には病院にたどり着く前に亡くなる人もいます。破裂する脳動脈瘤の場所によっては、脳のなかに血腫(けっしゅ)をつくり、片麻痺(かたまひ)が起こることもあります。くも膜下出血ははじめはたとえ軽くてもすぐに再出血を起こしやすく、さらに重体になります。
くも膜下出血の発症後2週間以内には、脳の動脈が細くなる脳血管れん縮という状況が起きます。このため脳の血流が減り、片麻痺などの神経症状を起こします。再破裂と脳血管れん縮は、くも膜下出血の予後を左右する重要な因子です。
今までに経験したことのないほど強い頭痛が突然起こり、その頭痛が続いていればくも膜下出血が疑われます。ただちに頭部CT検査を行い、頭蓋骨の内側でその脳の周囲に出血を示す高吸収域(白く描出される)がみられれば、診断はつきます。その後、すぐに脳血管撮影を行い、破裂した脳動脈瘤や脳動静脈奇形の診断をします。
さて、くも膜下出血の治療の方法ですが、破裂した脳動脈瘤によるくも膜下出血の場合は、再破裂予防のため、可能であれば手術を行います。通常は動脈瘤に対して、クリッピングという手術をします。最近では血管内手術といって、血管のなかへ細いカテーテルを挿入し、コイルを入れて動脈瘤の内側に詰める塞栓術を行うこともあります。
どちらの方法をとるかは、患者さんの年齢、動脈瘤の部位、大きさ、形、合併症などによって決まります。病状があまりにも重症の場合は、手術ができないこともあります。
突然発症して持続する、今までに経験したことがないような頭痛が起こったら、ただちに脳神経外科の専門医のいる病院を受診してください。軽い頭痛であっても、念のため受診するようにしてくださいね。
医師の松田英之でした。
最近メディアなどでも取り上げられる機会が多くなった「くも膜下出血」、皆さんも一度は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。今回はその「くも膜下出血」について、医者の松田英之がお話したいと思います。
まず「くも膜下出血」とは何なのかについてお話しますね。脳というものは、外側から硬膜(こうまく)、くも膜、軟膜(なんまく)の3枚の膜でおおわれています。くも膜の下(内側)には脳脊髄液(のうせきずいえき)という液体がありますが、この部分に出血するのがくも膜下出血です。働き盛りの人に起こり、死亡率も高い病気です。また一度起こると再発しやすいという特徴がありますね。
原因としていちばん多いのは、脳の動脈がこぶのようにふくれてそれが破裂する、脳動脈瘤破裂(のうどうみゃくりゅうはれつ)です。次に脳動静脈奇形(のうどうじょうみゃくきけい)からの出血、頭部外傷によるものがあります。くも膜下出血は、同じ家系内に起こることがあるので、親戚でくも膜下出血を起こした人や未破裂脳動脈瘤がある人がいる場合は要注意なんです。
くも膜下出血の症状は、頭全体、時に前頭部、後頭部などに頭痛が起こります。同時に吐き気、嘔吐、頸の後ろ(うなじ)が凝る、などのいわゆる髄膜(ずいまく)刺激症状が起きます。
頭痛の第1の特徴は、突然起こり、それが続くことです。瞬間的にびりっと痛んですぐやみ、またしばらくしてびりっと痛む頭痛は、持続してはいないので、突然起きたとしてもくも膜下出血ではありません。
第2の特徴は、いままで経験したことのないほど強い頭痛であることです。曰く、「人生最悪の」、「金属バットで殴られたような」と表現される頭痛が多いですね。しかし、「人生最悪の頭痛」と表現するほどの痛みは発症の25%程度と言 われています。この頭痛は1~2時間で消失する事はなく数日持続します。脳内血腫を伴わなければ片麻痺、失語などの脳局所症状はみられません。尚、出血が高度であれば意識障害をきたし頭痛を訴える事は出来ません。神経症状として髄膜刺激症状が認められる事が多いですね。
出血の量が多い時には、すぐに意識がなくなります。とくに重症の場合には病院にたどり着く前に亡くなる人もいます。破裂する脳動脈瘤の場所によっては、脳のなかに血腫(けっしゅ)をつくり、片麻痺(かたまひ)が起こることもあります。くも膜下出血ははじめはたとえ軽くてもすぐに再出血を起こしやすく、さらに重体になります。
くも膜下出血の発症後2週間以内には、脳の動脈が細くなる脳血管れん縮という状況が起きます。このため脳の血流が減り、片麻痺などの神経症状を起こします。再破裂と脳血管れん縮は、くも膜下出血の予後を左右する重要な因子です。
今までに経験したことのないほど強い頭痛が突然起こり、その頭痛が続いていればくも膜下出血が疑われます。ただちに頭部CT検査を行い、頭蓋骨の内側でその脳の周囲に出血を示す高吸収域(白く描出される)がみられれば、診断はつきます。その後、すぐに脳血管撮影を行い、破裂した脳動脈瘤や脳動静脈奇形の診断をします。
さて、くも膜下出血の治療の方法ですが、破裂した脳動脈瘤によるくも膜下出血の場合は、再破裂予防のため、可能であれば手術を行います。通常は動脈瘤に対して、クリッピングという手術をします。最近では血管内手術といって、血管のなかへ細いカテーテルを挿入し、コイルを入れて動脈瘤の内側に詰める塞栓術を行うこともあります。
どちらの方法をとるかは、患者さんの年齢、動脈瘤の部位、大きさ、形、合併症などによって決まります。病状があまりにも重症の場合は、手術ができないこともあります。
突然発症して持続する、今までに経験したことがないような頭痛が起こったら、ただちに脳神経外科の専門医のいる病院を受診してください。軽い頭痛であっても、念のため受診するようにしてくださいね。
医師の松田英之でした。
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